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2010年のゴールデンウィーク前。ある企業から連絡があった。
外資系のゲーム開発ツールのメーカーで、4月に日本法人が立ち上がったばかり。横浜で新しいオフィスを構えるにあたって、内装、家具の設計相談だった。
「エンターテイメント企業なので楽しく」
「なんと言っても人材が宝。ここで働きたいと思えるようなオフィスを」
この2つをコンセプトに計画を進めた。
新しいオフィスは横浜ランドマークタワーにほど近いテナントビルの2階。天井高は2.55mあるが、間仕切壁は2.2mでとどめた。スチールの溝型鋼で頂部をつなぎ、全ての壁が自立している。
会議室をはじめ、素材は出来る限りガラスとし、明るく、視線が抜ける、2つの意味で風通しの良いオフィスにしたかった。視線を遮る必要がある場合は、ロールスクリーンを降ろす。これらは、プロジェクターのスクリーンも兼ねるので、白を選んでいる。
また、壁面の多くにカラーガラスを使用した。思いついた時にすぐメモが出来る、会議の際はスペースを考えず板書できる。壁全部がホワイトボードとなるのである。
クリアな空間に、鮮やかな原色、黒、こげ茶などの家具を配置した。クール過ぎず、華やかになり過ぎず、そして楽しく。
受付前には、壁面からせり出したアートワークがある。この会社の主力商品は、3D画像を作成するソフト。立体感は陰影によって感じるもので、それを直喩的に表現したのである。
施工会社に相談すると「硬質ウレタンフォームを熱線カッター切れば何とかなるのでは」と回答があった。実際、自社でその作業を行ってくれた。その手の量はそのまま質に反映されていると思っている